横瀬町 醬

醤油屋さんのつゆを楽しむ

休日の朝。予定とした出発時間が近付く頃、娘に起こされて出掛けてきた秩父方面の蕎麦巡り。先ずはと入ったお店を出て、そうは言っても二軒目はちょっと、と言うのが何時ものパターンですが、今日は珍しく、全員一致でもう一軒となりました。

それでは、少し時間を空けてということで、ドライブがてら小川町方面を目指すことにして車を進めます。と、明らかに気になるお店が視界に入りました。他の二人も同様な様子。それは目を引く作りのお蕎麦屋さんでした。

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こちらのお店の情報は、少しだけ頭に入っておりましたが、位置関係迄は気にしていなかったので、こんな所に在るとは。

車を駐車場に停め、改めて外観を見てみますと、何となく可愛い作りです。表で待つこと数分で中へと案内されました。内装も、木造であることを主張した、何処かノスタルジックな作りで、外観と統一感があり好ましものです。窓から武甲山も良く見えています。

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店内はこじんまりとしていて、厨房の動きも良くみてとれます。

注文をしようかとメニューを見ますと、ここにも拘りが。可愛らしい木製のメニューとなっています。

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蕎麦は一種のみ。冷たいそばと温かいそばとが一通り揃っています。

こちらのメニューを見ておりますと、改めてそこから読み取れものがある気がします。何処のお店も、メニュー作りには苦労をするんだろうなと。価格一つとっても、そこにはお客への思いやりとか、はたまた、人としての欲張った部分とか。店全体の方向性に、合っているものなのかどうかを熟慮しているのかとか。蕎麦は出来上がった時に、派手に見栄えのする料理ではないだけに、メニューに何を表現させるのかも、見ていて楽しめるところです。

注文内容は、大せいろ(850円)かけそば(700円)を相方とシェア。娘は天せいろ(1200円)になりました。こちらのせいろには刻み海苔がのっているそうなので、海苔なしでお願いしました。

10分ほどで、注文の品がやってまいりました。

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先ず目を引いたのが、その盛りの良さです。通常の二割り増しくらいでしょうか。瑞々しい蕎麦がこんもりと盛られています。これが150円増しとは。

image所々に小さなホシが入った若干平打ち気味のそれは、表面がツルっとして見えます。香りはあまりしませんが、舌触りは見ため通りで良い感じです。冷たく締まっている麺は、優しい弾力を持ったものです。美味しいですね~。

imageそれをつける辛汁は、さすが醤油屋さんが始めただけのことはあります。キリっとした醤油感のあるもので、それほど濃くはないものの、しっかりと味を持たせたものです。

image かけそばについて。こちらもボリュームがありそうです。

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麺は、せいろと同じ調子のものが放たれており、優しい歯触りで、よく繋がっております。甘汁は、辛汁と似てはいますが、甘みが強いのが印象的です。優しいかけそばと言った感じでしょうか。ただ、蕎麦の量に対して、甘汁が若干少ない気がしました。

imageここまでは、全体として良い印象だったのですが、せいろの蕎麦が、時間が経過するにつれ、麺同士がくっ付き始めたのです。瑞々しく見えた表面が、乾き始めています。原因は、当日の気温にありそうです。途中、かけそばを食べているせいで、汗が吹き出てるのだなと思って周りを見渡すと、やはり、汗をぬぐいながら蕎麦を食べいる人が。店内はかなりの暑さです。これには、あの素敵な外観が関係していそうです。採光には好条件の大きな窓。雰囲気を醸し出していたトタン葺の屋根。レトロ調の外壁。何れも断熱にはマイナスです。例えば、大きな旧家に入ると涼しいあれです。この日秩父では、34.9度まで気温が上がりました。最初の計算では間に合っていたであろう、コンパクトなエアコンが作り出す、冷え切らない全開の冷気の渦が、見る見るうちに水分を奪っていったのではと考えられます。好印象だっただけに残念でしたが、改善するのは難しくないはずです。

八ヶ岳産と北海道産の玄蕎麦をブレンドし、二八で打ち上げた蕎麦は、良心的な価格設定で、また食べたいと思わせる仕上がりでした。今度は、条件の良い日にもう一度伺いたいですね。小さな子供もウェルカムのようで、パパママ応援ショップに参加しているそうで、若い店主の心配りが嬉しいです。最後に、薬味の山葵だけはもう少し手を掛けて貰えたら、なお良しです。ちなみに、海苔なしでもお代金は一緒でした。

13時を少しまわってお店を出ると、売り切れ仕舞いの看板が出ておりました。お客さんは、美味しい蕎麦を分かっているんです。

一、お店の雰囲気を味わう 8/10
二、冷たい蕎麦だけを味わう  14/20
三、蕎麦つゆを付けて味わう  15/20
四、温かい蕎麦を味わう  13/20
五、蕎麦湯を味わう  3/ 5
六、蕎麦の値段  8/10
七、技術とサービス  10/15
合計 71/100

そば処 醤

0494(22)0894
埼玉県秩父郡横瀬町横瀬5932
西武秩父線横瀬駅より徒歩30分
営業時間 11:30~13:30
定 休 日 毎週木曜日

2016年7月3日

横瀬町 紡

地の利を活かして

芝桜で有名な秩父の羊山公園。私の遠い記憶では、あまりインパクトのない場所だったような。それもそのはず、芝桜は2000年から始まったそうです。
その羊山公園へ県道の坂氷の信号から登って行きますと、直ぐの左側にこちらのお店は在ります。

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一瞬、あれ?となる店構え。此処がお蕎麦屋さん?、、、それもそのはず、ご両親が経営されていたレストランを引き継ぐ形で、御子息が蕎麦打ちを始められたそうです。御子息が修行をされたのは立会川の吉田家さん。昨年の二月よりリニューアルオープンをしたとのこと。とはいえ、メニューにはレストラン当時の看板メニューや、飲み物、デザートなどが残っており、長い目で見て移行期といいますか、一本に絞り切れていない感じは否めませんでした。

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外観、店内共に、洋を基調にしたものから変化はしておらず、それは、最初に出されたお冷にも表れていました。やっぱり、蕎麦にはお茶が良いですね。注文につきましては、私と相方で、大もり(1200円)と、かけそば(900円)をシェアすることに。同行の娘がもり(900円)を頼みました。金額的には、中々の設定です。

方向性としては、ご本人のFacebookからの引用になりますが「良質なそば粉と水だけを使った、純・手打ち蕎麦。みずみずしく、もっちりとした食感の十割蕎麦をご賞味ください。」とのことです。果たして。

imageさて、運ばれてきた大もりの蕎麦は、薄いそば色をしており、所々にホシが入っていて、十割らしく粒子感も見てとれます。口に運びますと、微かにザラッとした表面の感触が舌に伝わりますが、全体として柔らかです。みずみずしく、もっちりという形には近いとは思いますが、最低限のコシがありません。麺が麺であろうとする力とでも言いますか。

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また、当日だけのことと思いますが、繋がりもあまり良くないです。長くても10センチ程度で、ツッツッと行かず、それこそ麺の下のほうをちょこっと付けてとはいきません。

image辛汁は、鰹のだし感が出た、甘めの部類のもので、サラッとしていました。蕎麦猪口に乗せられてやってきた薬味の山葵が、鮮度を感じる辛さを持っていて、本日の秀逸でした。

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かけそばは、やや深めの器であって、標準的な色合いの甘汁に先程と同じ十割蕎麦が放たれています。甘汁の味は、辛汁同様鰹のだし感が出ている美味しいものでした。これで蕎麦さえ繋がっていれば、その柔らかな蕎麦と甘めの甘汁は、充分に楽しめるものだと思いました。娘が味見をする頃には、箸で掴むのも難儀をする状態でした。

お会計の時、女将と少しだけ話ができましたが、私も子を持つ親として、その強い思いが理解できた気がしました。父親と同じ洋食の道に行かず、蕎麦打ちの道を選んだ我が子がなんとか一人前にとの思い。それが、ひいてはお店の存続に繋がることになるのも分かっておられるのではと。現在は、洋食店としてよりも蕎麦屋として経営をされているとのことでしたので、今回、敢えてブログにアップしました。随分と良くなりました(お店の経営?)と話されていたのが印象的でした。

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蕎麦粉については、赤城の深山ファームさんのものを使われているとのこと。こちらのものは、群馬のきむらさんで食したことがありますので、風味も品質も折り紙付きと記憶しています。

秩父で一二の観光資源である公園が控えた場所なのですから、横瀬町の蕎麦文化に貢献される日が来ることを心よりお祈りいたします。

一、お店の雰囲気を味わう  4/10
二、冷たい蕎麦だけを味わう  12/20
三、蕎麦つゆに付けて味わう  12/20
四、温かい蕎麦を味わう  12/20
五、蕎麦湯を味わう  3/ 5
六、蕎麦の値段  4/10
七、技術とサービス  9/15
 合計 56/100

そば処  紡

0494(24)7757
埼玉県秩父郡横瀬町4248-1
西武秩父線横瀬駅より徒歩11分
営業時間 11:00~20:00 火〜土午後休憩有
定 休 日 毎週月曜日

2016年7月3日