狭山市 なお光

その蕎麦一見の価値有り

お蕎麦を提供するスタイルで、有りそうで中々お目にかからないのが、生粉打ち一本のお店ではないかと。ここにご紹介するのがまさにそれで、十割を食べられお店は、大概二八であったり外一であったりと、他のお蕎麦があります。二八なり外一なりを一種だけというお店は沢山ありますが、少なくとも、私の経験では珍しいと思いました。

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こちらに伺ったのは土曜日の12時30分頃でしたが、たまたま先客がなく、一瞬お休みかなとわざわざ店内を覗き、無事営業中であることを確認して、相方と娘を呼び入れました。

image店内は落ち着いた雰囲気で、小上がりの側の大きな窓から見える植栽が、この時期ならではの濃い目の緑に染まっているのも、それに一役も二役も買っていました。
小上がりは、掘りごたつ式になっていて、足が楽になっているのは、やはりポイント高いですね。

imageオーダーは、天ざるの大盛り(1260円+310円)かけそば(730円)を二人でシェアすることにしました。食べ歩きをスタートした頃は、もりそばとかけそばに拘っておりましたが、最近はセットものを置いているお店が多かったせいか、少し緩くなっています。

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まずは天ざる、次にかけそばの順でやってまいりました。天ざるはオーソドックスな佇まいで、海老が二本乗っているのがやや目を引きました。

肝心の蕎麦に目をやりますと、かなりの粒子感です。蕎麦を茹でる過程で、生地の中の荒く挽かれた蕎麦粒が、水分を含んで膨らんできたものと思います。自家製粉に拘る店主のメッセージを想像するとともに、期待感も高まります。色味は濃くない蕎麦色をしていて、所々に薄紅色の甘皮のホシが入っています。一見の価値有りです。

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舌ざわりはどうかなとひ一手繰りします、、、と、ここでオーダーミスに気が付きます。海苔が邪魔をしてしまい、上手く持ち上がりません。改めて、海苔の少ない場所で手繰り寄せた蕎麦を持ち上げ、香りを聞いてみますと惜しいかな、かなり少ない感じです。気を取り直して、口に含みますと、これは優しい。見た目の印象よりも柔らかな表面で、それでいて期待通りの粒子感を舌に伝えてきます。断面を思い描きながら歯を当てていきますと、表面同様柔らかな中心を持ちながら、それでいてコシのある麺であることに感心しきりとなりました。その性質上、スッと切れる歯応えというわけにはいきませんが、決して歯ぬかりをするのとは違い、あくまで全体にフワッとした優しい蕎麦に仕上がっていました。こんな蕎麦を打てるようになりたい。また、新たな夢をみつけてしまいました。

そんな優しい蕎麦をつける辛汁は、甘みをグッと抑えたもので、強いて言えばみりんとダシ感が表に顔を出している感じでしょうか。蕎麦との相性は充分受け入れることが出来るものでした。

薬味は丁寧な仕事のネギと、新鮮な辛味を持った山葵が添えられております。

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かけそばについて。まず、シンプルです。何も乗っていません。蕎麦は冷たいものと同じで、その特徴的な粒子感溢れるものであり、それが放たれる甘汁も、辛汁同様甘さを抑えた味付けです。

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ふんわり柔らかでありながら、確かな食感のある蕎麦を女性的とするならば、やや濃い目の色味をもった甘汁は男性的とでも言えるかと思います。美味しいかけそばに、また一つ出会えた気分です。

image天ぷらは薄めの衣でカラッと揚げられていて、添えられた天つゆで、美味しく頂くことができました。お値段から考えますと上々だと思います。

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蕎麦を楽しんでいるあいだ、窓の外の植栽のある景色が穏やかな雰囲気を作り出し、実際よりも自然豊かな場所に居る様な気持ちになるのもお店の評価としては高いものがあり、我々の後に後客が三組ほど訪れ、常連さんらしき男性が、蕎麦を一手繰りしたあとの頷く様な仕草が、妙に納得出来たのも、総てを一括りにしたお店の魅力の様に感じました。

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一、お店の雰囲気を味わう  7/10
二、冷たい蕎麦だけを味わう  17/20
三、蕎麦つゆに付けて味わう  16/20
四、温かい蕎麦を味わう  17/20
五、蕎麦湯を味わう  3/5
六、蕎麦の値段  7/10
七、技術とサービス 12/15
 合計 79/100

そば処 なお光

04(2900)0660
埼玉県狭山市1521-8
関越道川越ICより車で12分
営業時間 11:00~20:00
定 休 日 毎週金曜日

2016年6月18日

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