松本市 ぐりんでる

上高地の空へと続く道を上ると

本日は「信州の蕎麦を楽しむ旅」の二日目。宿泊した穂高温泉郷も信州蕎麦の激戦区でした。宿泊した割烹旅館みさとでも庭園そば処みさとを併営しており、こちらは「信州食育発信3つの星レストラン」の認定を受けているというかなり魅力的なお店でしたが時間的に間に合わず伺えませんでした。

さて、二日目に楽しむお蕎麦ですが、これは迷うことなく決まっておりました。雲霞の如く彼方此方に点在する手打ち蕎麦の看板を眺めつつ向かった先は、あの「ぐりんでる」さんです。

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此方に伺った動機は、只々、多くの人が称賛する蕎麦を食べてみたいの一点に尽きました。お店の向かいに在る風穴の里には以前立ち寄ったことがあり、まさかこんなところにといった眺望の素晴らしい場所にそのお店は在りました。

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敷居の低さに和まされつつ店内に。先客は居られず、真ん中のテーブルに着席しました。注文ですが、我々だけということもあり、慎重に先ずはざるそば(880円)を二つだけにしました。かけそばは後ほど。注文の品を待つ時間が楽しくて仕方ありません。

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運ばれてきたざるそばを前に「蕎麦に合わせた辛汁となっておりますので、少しだけつけて食べて下さい」と説明して頂き、改めて蕎麦に目を向けますと、美しい佇まいに軽いショックを受けました。本当に透明感を纏っています。初めての稲核在来。それを一口。口に入れた一瞬、微かにザラッと。蕎麦がソバの実であったころの存在を感じるような風味を一瞬ですが感じます。あるお店では、この蕎麦らしさを強調すりあまり、ザラつきが口の中に残ってしまう場面に出くわしました。こちらの蕎麦は、その一瞬後に、驚くほどの滑らかさで包み込んで五感に運んで行きます。喉越しの様は、まさに踊るように滑り降りていき、噛み応えがありながら、鮮やかに切れます。鼻から抜ける芳しい香りが、至福の時を記憶に留めようと働きかけます。

image 辛汁についてまず驚いたのは、その量の少なさです。ここに、明確なメッセージを受け取ります。その汁を利いてみます。先ずは、ガツン。そして深く。キレが有ります。蕎麦らしい蕎麦を味わうならこの味なんだと納得しました。
蕎麦湯は、いつもの様に蕎麦猪口の辛汁を空け、蕎麦湯だけを味わいます。これが、最初から猪口に大量に入って提供されますと空ける器探しに往生します。それを頂きますと、サラッとしてますが、風味を感じとります。よぉく蕎麦徳利の中を見ますと蕎麦粉が沈んでいます。わざわざ溶いて出して頂いたことがわかります。やはり、美味しいものは美味しいのですね。

image 蕎麦湯を頂く前にお願いをしておいたかけそば(1000円)を待つあいだ、メニューを改めて見ていますと、小さく花巻の文字が。これまた嬉しいです。

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運ばれてきたかけそばに海を感じました。海苔の香りがよろしいです。これぞ花巻。麺を掴んで手繰ってみますと、不思議です。本来なら甘汁に放たれ提供される時点では、ある程度柔らかくなっている筈の蕎麦が、想定よりしっかりしています。ざるに盛られ艶やかな姿を彷彿とさせる舌触りと歯応えです。これは想像ですが、ソバを打つ段階から既に決まっている気がします。水加減や力加減、そしてその時間とか。兎に角、あっと言う間に膨れ上がってしまう蕎麦と出会うとがっかりします。やられまた。こちらでは、この地方の名物のとうじそばなる、蕎麦をしゃぶしゃぶして頂くものが、これまた絶品だそうで、この麺だからこそなし得ることなのだと一人感心しました。海苔と一緒に乗っている青菜やネギも火が通り過ぎておらず、甘汁のバランスと相まって味わいが深いです。途中、「エビを揚げた物ですよ」と、店主自ら天カスを持って来て頂きまして、それを丼に放ちますと、その広がる風味に改めて感心しきりとなりました。
お口直しに一切れのどら焼きを頂き、そば茶を啜り、終了です。

私が参加している蕎麦講座のサイトを見て、埼玉から楽しみにやって来ましたと最初に伝えてしまったせいか、店主自ら二度もテーブルに足を運んで頂き有難う御座いました。最後には、他のお客さんのオーダーが入っていた様なので手を煩わせず早々にと引き上げるつもりが、わざわざご挨拶まで頂き恐縮しました。その人柄に触れられたこともこの旅の大きな収穫となりました。
多くのお客さんの来店を望むには、かなり不利であるはずの場所で、腕ひとつで営まれていることに感激をいたしました。遠路はるばると車を走らせて、その蕎麦を食しにゆくに値する蕎麦打ち人の一人に間違いないとの確信を深めお店を出ました。

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目前の国道が続く上高地は、蕎麦が美味しいとされる秋からは、観光客を寄せ付けない場所となります。お店の駐車場から見た空は、上高地から見上げた空に続いているんだなと感慨を覚えながら信州を後にした次第です。

一、店の雰囲気を味わう 7/10
二、冷たい蕎麦だけを味わう 19/20
三、蕎麦つゆを付けて味わう 19/20
四、温かい蕎麦を味わう 19/20
五、蕎麦湯を味わう 4/  5
六、蕎麦の値段 9/10
七、技術とサービス 14/15
合計 91/100
 そば&カフェ  ぐりんでる

0263(94)2825
長野県松本市安曇3365-1
松本ICよりR158で30分
営業時間 11:00~15:00 なくなり次第終了
定 休 日       毎週水曜日

2016年2月21日

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